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制度改正 2026.10.05 監修:まさ(薬剤師・薬機法管理者) クリニック代理店・制作

自由診療も立入検査の対象です。オンライン診療が医療法に入りました

令和7年12月12日公布の改正医療法で、オンライン診療が医療法に定義されました。この部分は令和8年4月1日に施行済みです。厚生労働省の資料には「自由診療も含め」指導・立入検査の対象になると書かれています。広告の側では、書ける事項が1つ増え、規制の対象になる施設が1つ増えました。

オンライン診療は長らく、指針で運用されてきました。それが法律の本文に入りました。

いつ、何が変わったか

根拠は医療法等の一部を改正する法律(令和7年法律第87号)で、令和7年12月12日に公布されています。資料の概要にはこう書かれています。

「オンライン診療」を医療法に定義し、手続規定やオンライン診療を受ける場所を提供する施設に係る規定を整備する。

施行期日は全体としては令和9年4月1日ですが、この部分は違います。資料の施行期日欄に「令和8年4月1日(1②、2①の一部、②及び③並びに4①)」とあり、オンライン診療の定義はこの1②に当たります。つまり既に施行済みです。

具体的な手続きは2つです。

医療法にオンライン診療を定義づけ、オンライン診療を行う医療機関はその旨を届け出る(都道府県Aへの届出)。

患者がオンライン診療を受ける専用の施設として、医療法に「オンライン診療受診施設」を創設する。

オンライン診療受診施設は、医療法上「設置者が、医療機関に対して患者のオンライン診療の受診場所として提供する施設」と定義されています。診療所ではなく、場所を貸す側です。

「自由診療も含め」と書かれています

ここが実務でいちばん効きます。資料の指導監督の項に、この一文があります。

自由診療も含め、原則、オンライン診療実施医療機関・オンライン診療受診施設への指導・立入検査等は、所在の都道府県等が実施。

立入検査の根拠として、資料は医療法第25条第2項を挙げています。都道府県をまたぐ場合の流れも示されていて、施設のある県から医療機関のある県へ情報が連携され、それぞれが立入検査等を実施する形になっています。

自由診療だから医療法の外にある、という整理はできません。保険を使わないことと、医療法の規制を受けないことは別の話です。

広告の側で増えたものが2つあります

ひとつは、書ける事項が1つ増えたことです。

医業・医療機関に関する広告についても、「オンライン診療受診施設を利用してオンライン診療を行う旨等」が広告可能事項に追加された(医療法第6条の5第3項15号)

医療広告は、決められた事項しか広告できない仕組みです。そこに15号が足されました。あわせて、オンライン診療基準の遵守に必要な事項も広告可能事項に位置づけられます。

もうひとつは、規制の対象になる主体が1つ増えたことです。

オンライン診療受診施設に関する広告についても、医業広告と同様に、広告規制を置くこととなった(同法第6条の7の2)

オンライン診療受診施設は医療を提供する施設ではありませんが、広告は規制されます。ただし禁止一色ではなく、2つの条件を満たせば広告できます。

この明示のもとでなら、施設の名称・電話番号・所在場所・設置者名、施設や設備、従業者に関する事項、管理・運営に関する事項が広告できるとされています。

特定性の判断も広がります

見落としやすいのが、広告該当性そのものの話です。医療広告ガイドラインは、広告を誘引性と特定性の2つで判断します。この特定性について、資料にこう書かれています。

②特定性については、オンライン診療受診施設の名称等が特定可能である場合も含まれるものとして見直しを行う。

医療機関の名前を出していなくても、受診施設の名称等から特定できれば広告に当たる、という整理です。施設側が自分の集客のために出した表示が、医療機関の広告として評価される場面が出てきます。

処方の最低限のルールも資料に載っています

薬剤処方・管理の項に、最低限遵守する事項として初診の制限が挙げられています。

・初診の場合は、①麻薬・向精神薬の処方、②基礎疾患等を把握できない患者に対する特に安全管理が必要な薬品の処方、③当該患者に対する8日分以上の処方を行わない

初診で8日分以上を出さない、という線は、広告の打ち出しにもそのまま効きます。初回から長期の処方を前提にした表現は、この最低限遵守事項と整合しません。

これから始める医療機関が、先にやる2つ

施行の細部は、厚生労働省の施行通知(医政発0327第5号・令和8年3月27日)に書かれています。これから自費のオンライン診療を始める医療機関にとって、ページを作るより先に片付けるものが2つあります。

ひとつは医師の研修です。管理者は、オンライン診療基準に合った診療が行われるよう必要な措置を講じることとされ(新法第14条の4)、通知はその具体的な中身をこう書いています。

具体的には、オンライン診療を行う医師又は歯科医師に対して、以下の厚生労働省が定める研修を受講させることが想定される。

もうひとつは届出です。開設時に届け出る事項に「その勤務する医師又は歯科医師がオンライン診療を行うときはその旨」が加わりました(新規則第3条第1項第5号)。届け出た内容が変わったときも同じ扱いです。

届け出た事項に変更を生じたときも、10 日以内に届け出なければならないものとする

間違えやすいのは、経過措置の範囲です。届出が猶予されるのは、令和8年4月1日の時点ですでにオンライン診療を行っていた医療機関だけで、その猶予も令和9年3月31日までです。これから始める医療機関には猶予がありません。始めたら、10日以内に届け出ることになります。

実務で先に見ておくもの

すでにオンライン診療を行っている医療機関は、令和9年3月31日までに届け出れば足ります。通知は、原則として毎年1月から3月にG-MISで行う医療機能情報提供制度の定期報告と同じ時期に出すことが考えられる、としています。受診施設を使っている、あるいは自社で提供しているなら、施設側の表示が明示の2条件を満たしているかも確かめておきたいところです。

これから始める医療機関は、順番がすべてです。研修を終え、オンライン診療を始め、10日以内に届け出る。そのうえで、サイトに書く約束を初診の処方制限に合わせます。「初回から3か月分」「初診でも長期処方」といった打ち出しは、8日分以上を出さないという最低限の事項と整合しません。サイトは運用を決めてから書くもので、書いてから運用を合わせるものではないと考えています。

広告物のほうは、書ける事項が足されています。15号は、受診施設を利用してオンライン診療を行う医療機関が「当該オンライン診療を行う旨及び当該オンライン診療の内容に関する事項」を書けるようにしたものです。加えて、通知は次のようにも書いています。

オンライン診療基準(後述)の遵守に必要な事項を広告可能事項に追加した

書けるのに書いていない記述がないか、一度見直す価値があります。書けるものを書いていないのは、機会の側の損失です。

これから始める方へ

自費のオンライン診療を始める前に決める5つ(研修・届出・初診の処方制限・限定解除の4項目・未承認薬の5項目)は、noteに順番どおりまとめています。

サイトの設計と原稿、予約システムの初期設定、届出までの段取り、公開前の全ページ確認まで、まとめてお引き受けしています。進め方は医療機関・薬局・治療院の方へのページに載せています。初回のご相談は無料です。

この記事を書いた人

Pharma-Ad Lab|医療広告・薬機法コンサルタント まさ(薬剤師)

薬剤師/薬機法管理者/景表法 第1級/YMAA・KTAA認証/コスメ薬機法管理者

健康食品・化粧品・クリニックの広告を、薬機法・景品表示法・医療広告ガイドラインの観点で審査しています。NGを指摘して終わりにせず、訴求力を保ったままの言い換えまでセットで出すのが基本方針です。