健康食品・化粧品・クリニックの広告は、いま行政の監視対象になっています。年間589事業者が改善指導を受けていますが、事業者名は公表されません。だから、周囲を見渡しても誰も指摘されていないように見えます。
出典:消費者庁「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について」各期/厚生労働省「ネットパトロール事業について(令和7年度)」/消費者庁 課徴金納付命令(令和7年12月2日)
Records
行政が公表した処分と、監視の実態を記録しています。すべて一次資料にもとづき、推測は書いていません。
消費者庁が10月30日、景品表示法に基づく法的措置件数の推移を更新しました(令和8年9月30日現在)。令和8年度に入ってからの国の措置命令は7件。中身を並べると、ステマが3件、根拠が認められなかった効果表示が2件、期限と最低価格の表示が1件ずつです。
令和7年12月12日公布の改正医療法で、オンライン診療が医療法に定義されました。この部分は令和8年4月1日に施行済みです。厚生労働省の資料には「自由診療も含め」指導・立入検査の対象になると書かれています。広告の側では、書ける事項が1つ増え、規制の対象になる施設が1つ増えました。
消費者庁が9月18日、葬儀サービスのテレビCMに措置命令を出しました。表示は「家族葬 10.45万円〜(税込)」。実際にその金額で受けられることは、僅かな場合を除いてありませんでした。「脱毛◯◯円〜」「初回◯◯円〜」「定期初回◯◯円〜」と、構造は同じです。
同じ「満足度◯%」という数字が、業種によって別の条文で、違う重さで見られています。化粧品では業界基準が原則禁止と書いており、医療機関では誇大広告ではなく虚偽広告として罰則の対象です。そして共通しているのは、※印を付けても救済されないことでした。
クリニックのサイトでよく見る「○○専門医」という表記は、それだけだと誇大広告として指導の対象になります。「厚生労働省認定」を足すと、今度は虚偽広告で罰則の側に移ります。一方で、広告では書けない認定医・指導医が、ウェブサイトでなら書ける道も用意されています。
機能性表示食品の適正広告自主基準は2026年6月に第4版が出ました。新しく書かれたのは、届出表示の切り出しについての留意点です。サポート・助ける・〇〇感といった補完用語や、対象者の限定を落とすと、それだけで届出の外に出ます。全文を書いていても、前半だけを強調すれば同じ扱いです。
東京都が買い上げた2製品から、1包にタダラフィル82mg、1個にシルデナフィル139mgが検出されました。根拠は広告規制ではなく薬機法55条2項で、条文が禁じているのは表現ではなく販売と陳列です。そして販売中止と自主回収を指示されたのは、作った会社ではなく売っていた都内の店舗でした。
遷移先のランディングページに治療内容・費用・期間・リスクを一式そろえても、バナー側は違反になります。限定解除の4要件のうち①が、この2つの媒体では構造的に成立しないからです。厚生労働省が示した2つの事例、実際に出ている広告2本の分解、そして「ではバナーに何が書けるのか」を制作の工程から整理しました。
ロート製薬はPR表示を入れていました。それでも措置命令が出ています。クリックしないと見えない位置だったからです。大手製薬2社が4か月の間に同じ型で処分された件、措置命令に至らない「確約手続」の事例を含め、8件を実名で記録しました。
改善指導では事業者名が公表されません。だから件数が増えていても、周囲では何も起きていないように見えます。監視側はAIを導入し、1サイトあたりの作業時間が半分以下になりました。
通知は「規約に違反しています」までしか書いていません。どこを直せばいいのかは自分で探すことになります。やってはいけない初動と、モール別の窓口を整理しました。
薬機法・景品表示法・医療広告ガイドラインを含む842ルールのデータベースに照らして、その場で判定します。文章を貼り付けるだけです。登録も費用もかかりません。
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薬剤師として企業に勤めながら、健康食品・化粧品・クリニックの広告表現を審査しています。行政が毎日公表する通知・処分を自動で収集し、判定ルールに反映する仕組みを自分で運用しています。本サイトの数字と判定は、そのデータベースから出しています。
行政資料は公開されていますが、量が多く、読み解くには前提知識が要ります。公開されているのに誰も読んでいない情報を、事業者が使える形にして届けることが目的です。告発ではありません。処分される前に知ってほしいという、それだけです。