Pharma-Ad Report
Pharma-Ad LabReport基準改定
基準改定 2026.09.18 監修:まさ(薬剤師・薬機法管理者) 健康食品

「疲労感を軽減する機能」から「感」を落とすと、届出の外に出ます

機能性表示食品と特定保健用食品の広告で、いま行政と業界基準の両方が見ているのは、書き足した言葉ではなく落とした言葉のほうです。NGワードを検索しても見つからない類型なので、探し方から変える必要があります。

「疲労感を軽減する機能」を、広告で「疲労を軽減」と書く。

この一語で、届出表示の外に出ます。

消費者庁が原文で書いていること

特定保健用食品に関する質疑応答集の問52は、「広告において許可表示の一部のみを表示することはできるのか」という問いに、こう答えています。

許可表示として許可された文言は、原則として一体として表示すべきであり、広告において許可表示の一部のみを表示することは、表示内容によっては、許可表示から期待される保健の用途を超える過大な効果についても、国が許可しているかのような誤認を与えるおそれがある。

そのうえで、誇大表示に該当するおそれがある例を3つ挙げています。原文の例をそのまま引きます。

3例とも、足した言葉ではなく落とした言葉が問題にされています。

根拠になる条文

この類型で効いてくる条文は3つです。

「自主基準に反する」という話ではなく、法令の話です。

機能性表示食品側は自主基準が同じ方向を向いている

機能性表示食品の適正広告自主基準は、2026年6月1日に第4版が公表されました(令和8年5月28日制定、業界4団体)。その6.(2)2)ⅰ) が、届出表示の切り出しについて4つの類型を挙げています。

補完用語は飾りではありません。医薬品的だと誤認されるのを避けるために付いています。だから省いた時点で意味が変わります。

なお、自主基準は業界4団体の自主ルールであって法令そのものではありません。 ただ、事後チェックで参照される物差しとしては実質的に機能しています。逆に質疑応答集のほうは特定保健用食品についての通知なので、許可表示の枠組みをそのまま届出表示に置き換えられるわけでもありません。それでも、切り出しをどう見るかという一点については、両者が同じ方向を向いています。

全文を書いていても逃げ切れない

届出表示の全文を載せていても、前半だけ大きく、太字で、色を変えて置けば、切り出しと同じに扱われます。文字として書いてあるかどうかではなく、読み手に何が届くかで見られています。

だから検索では見つからない

この類型は、広告の文字列を検索しても引っかかりません。「体脂肪を減らす」は、適法な許可表示の中にそのまま入っている文字列だからです。NGワードのリストで機械的に照合すると、正しく全文を書いている広告だけが引っかかるという逆向きの事故が起きます。

探すのはNGワードではなく、落ちている限定語のほうです。

チェックの手順

届出番号または許可番号から全文を引いて、広告の文言と1語ずつ突き合わせます。見るのは5点です。

最後の1点はテキストだけでは判定できません。実画面かスクリーンショットを取り寄せる必要があります。

この記事を書いた人

Pharma-Ad Lab|医療広告・薬機法コンサルタント まさ(薬剤師)

薬剤師/薬機法管理者/景表法 第1級/YMAA・KTAA認証/コスメ薬機法管理者

健康食品・化粧品・クリニックの広告を、薬機法・景品表示法・医療広告ガイドラインの観点で審査しています。NGを指摘して終わりにせず、訴求力を保ったままの言い換えまでセットで出すのが基本方針です。