CBD規制ウォッチ ・ 第2号

動いたのは CBD ではなく、売り方のほうでした

2026年9月号 / CBD事業者向け 月次規制レポート / 無償
発行:Pharma-Ad Lab|医療広告・薬機法コンサルタント まさ(薬剤師)

先月はCBNの後始末を書きました。今月は毛色が変わります。CBDそのものの規制は動いていません。動いたのは、CBDを売る「売り方」のほうです。

8月に消費者庁と東京都から立て続けに資料が出て、そのどれもが定期購入・ランキング表示・成分の書き方に触れていました。CBDは定期購入との相性がよく、ランキング訴求も多い。直撃する内容なので3つに絞って書きます。

(第1号で「次号はCBGまわり」と予告していましたが、CBGは規制上の動きがありませんでした。動いていないものを無理に書くより、実際に動いたほうを出します。CBGは動きが出た号で扱います。)


1. 最終確認画面に何が書いてあるか、最後に見たのはいつですか

特定商取引法の話です。薬機法でも景表法でもありません。

東京都が今年3月に出した令和7年度の健康食品試買調査で、不適正とされた125製品の内訳が公表されています。薬機法85件、景表法54件、そして特定商取引法が42件。CBD業界の話をするとき、たいてい薬機法と景表法しか出てきませんが、実際に指摘されている数でいえば特商法は3番目に多い。

論点は「最終確認画面」です。申込ボタンを押すと注文が確定する、あの画面。法12条の6第1項で、ここに分量と、法11条1号から5号までの事項を表示する義務があります。表題が付いているかどうかや画面の形式は関係ありません。押したら確定する画面が、法律上の「最終確認画面」です。

消費者庁のガイドライン(令和6年11月19日)に、実務で効く記述が2つあります。

ひとつ。5か月継続の定期購入契約なのに、1か月分の分量しか書いていないのは、分量を表示したことになりません。総量で書く必要がある。無期限契約や自動更新なら、その旨も画面に要ります。

もうひとつ。解約の方法や受付時間を限定するなら、リンク先の規約に委ねず最終確認画面そのものに書く。そして、表示した電話番号が実際には一切つながらない場合、それは解除に関する事項の不実表示に当たるおそれがある、と明記されています。番号を載せているかではなく、繋がるかどうかを見られている。

「いつでも解約OK」もガイドラインが名指ししています。消費者はこれを文字どおり無条件だと受け取るので、回数条件や違約金が付いているなら誤認表示になり得る。

自社サイトを開いて、実際にカートに入れて、申込ボタンの手前まで進んでみるのが一番早い確認方法です。広告文のチェックでは絶対に見つかりません。あの画面はカートシステムが吐いていて、広告の原稿とは別の場所で管理されているからです。

2. No.1表示は、出典を書けば通るわけではない

「楽天ランキング第1位」「CBD含有量No.1」「満足度98%」。この種の表示について、消費者庁が実態調査報告書を出しています。

よくある理解は「調査の出典を書いておけばいい」というものです。これは足りません。報告書が求めているのは、調査そのものが適正であることで、条件は4つあります。比較対象の選定が適切か、調査対象者の選定が適切か、調査方法が公平か、そして表示内容と調査結果が対応しているか。

東京都の広告監視でも、この4つが崩れた事例が挙がっています。10年前の調査実績で「売上No.1」と書いている。調査対象を極端に絞り込んで「満足度99%」と出している。リアルタイムランキングで数回1位を取っただけで「いま日本で最も売れている」と書いている。どれも出典は書ける。書けるのに不適正です。

いちばん誤解されているのはここだと思います。「イメージ調査である」と注記しても解消しません。報告書に明記されています。打消し表示で逃げられる類型ではない。

それと、No.1という言葉を使っていなくても同じ枠に入るものがあります。「医師の90%が推奨」「現役医師の9割が推奨しているんです」。この形はNo.1表示と別カテゴリのようでいて、報告書では高評価%表示として独立した類型に整理されていて、368サンプル中93件がこれでした。社内で「うちはNo.1とは書いていない」と確認して終わっているなら、%表記のほうを見落としています。

確認の実務としては、広告文だけ見ても判定できません。調査票と実施記録を取り寄せて、いつ・誰に・どう聞いたかを見る。そこまでやらないと結論が出ない類型です。

3. 化粧品をやっているなら、特記表示のルールが6年ぶりに変わりました

CBD市場は化粧品カテゴリが厚いので、そちら向けです。

日本化粧品工業会の「化粧品等の適正広告ガイドライン」が、今年7月24日に改訂α版として公表されました。2020年版から6年ぶりの改訂ですが、変わった箇所は多くありません。ほぼ特記表示に集中しています。

特記表示というのは、成分を配合目的とセットで書くときのルールです。根拠になっている通知が、昭和60年のものから令和7年3月10日付のものに差し替わりました。

実務で効くのは、「美容成分」「美肌成分」が、認められない配合目的の例として挙げられたことです。これまで「うるおい成分」「保湿成分」と同じ感覚で使われてきた言葉ですが、扱いが変わります。「シンデレラ成分」のような通称も同じ枠です。

代替はあります。その成分が何をするために入っているのかを、承認された効能の範囲で具体的に書く。「美容成分◯◯配合」を「うるおい成分◯◯配合」に置き換えるだけで済むことが多い。難しい話ではなくて、言葉の在庫が入れ替わったので、古い言葉が残っているページを探す作業です。

CBDを配合目的つきで書いている化粧品は、ここに引っかかりやすい。


ついでに、9月1日から始まったものについて

機能性表示食品のGMPが、9月1日で完全施行されました。ただ適用範囲を正確に見ておいたほうがいい話なので、ひとこと添えます。

対象は「機能性表示食品のうち、天然抽出物等を原材料とする錠剤、カプセル剤等食品」です。つまり届出をしていない一般食品には、これ自体は直接かかりません。CBD製品の多くは届出なしなので、「うちも9月から義務化された」と身構える必要は、その意味ではない。

ただ、関係する場面が2つあります。

ひとつは受託製造をしている場合。届出商品を1本でも受けるなら、工場としての対応が要るので、取引先から確認が来ます。もうひとつは表示のほうで、「GMP工場で製造」と広告に書くなら、その根拠を持っている必要がある。義務の範囲外だからこそ、書くなら自分で説明できないといけません。

なお、グミやラムネ菓子のように風味を楽しむ形状は、過剰摂取のリスクが低いという合理的な理由があれば「その他加工食品」として届出でき、GMP義務の対象外になるケースが多い。CBDグミを作っている会社は、ここの整理を先にしておくと話が早いです。


今月のまとめ

3つとも、広告の原稿を眺めているだけでは見つからない類型でした。最終確認画面はカートの中にあり、No.1の根拠は調査票の中にあり、GMPは工場の中にある。

「広告文はチェック済みです」で止まっている会社が、いま一番危ないと思います。

このレポートは、CBD を扱う事業者向けに毎月お送りしています。無償で、登録も要りません。

薬剤師・薬機法管理者・景品表示法1級として、ロット別COA、表示、広告、それと薬物相互作用までを一枚の監査票で見ています。手元の分析書の読み方でも、広告表現でも、判断に迷うところがあればお送りください。

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